ダイオキシン類分析

1.ダイオキシン類とは

 1.ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs) 2.ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs) 3.コプラナーポリ塩化ビフェニル (Co-PCBs)という3種類の物質群の総称で、意図しない副生成物として存在し、塩素を含む物質の不完全燃焼や化学物質の合成等の際に、形成されるといわれております。
 性質は、常温で無色の固体。蒸発しづらく、他の化学物質や酸・アルカリ等と反応せず難分解性の為、比較的安定した状態を保ちます。800℃以上の高温下では分解可能ですが、約300℃程度の温度で再合成されるともいわれております。
 また、難水溶性ですが脂溶性が高い為、脂肪組織に蓄積し(生物蓄積・濃縮性)、発がん性や免疫系への影響等が懸念されております。
 ダイオキシン類は下図の様な構造を呈しており、PCDDsで75種類、PCDFsで135種類、Co-PCBsで12種類あります。(これらの内、毒性があるとみなされているのは計29種類です。)

ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)分子構造ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)分子構造コプラナーポリ塩化ビフェニル(PCBs)分子構造

2.弊社でのダイオキシン類分析

(単位)
kg(キログラム)
g(グラム)
-
mg(ミリグラム) =10-3g(千分の1グラム)
µg(マイクログラム) =10-6g(100万分の1グラム)
ng(ナノグラム) =10-9g(10億分の1グラム)
pg(ピコグラム) =10-12g(1兆分の1グラム)

 ダイオキシン類における計量濃度単位ですが、右表の様に、私達の生活では想像出来ない「n(ナノ)、又はp(ピコ)」単位で分析を行います。
 たとえ話で、「東京ドームに相当する体積の容器を満水にし、角砂糖1個を落して探し出す様なもの」と言われる程、極微量で高度な分析です。
 弊社では、試料前処理室と分析室を分離し、厳しい精度管理体制のもと、平成9年よりダイオキシン類の測定・分析を開始しました。
 そして平成11年のダイオキシン類対策特別措置法施行を経て、計量法改正を受け、MLAP制度(独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE))を国内で最初に取得し、認定特定計量証明事業者として現在に至っております。

作業工程図 採取→抽出→濃縮→クリーンアップ→HRGC/HRMS→報告

※上記作業工程は掲載の都合上、一部省略しております。

3.国内でのダイオキシン類に関する法律

 平成11年にダイオキシン類対策特別措置法が施行され、ダイオキシン類に関する各種の基準値が定められました。

【各媒体のダイオキシン類基準値(参考)】

媒体 基準値 測定方法 備考
大気 環境基準)0.6pg-TEQ/m3
(ダイオキシン類対策特別措置法)
ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル
平成20年3月改定 環境省 水・大気環境局総務課ダイオキシン対策室大気環境課
年間平均値とする。
燃えがら
(焼却灰)
ばいじん
(飛灰)

(判定基準)3ng-TEQ/g
(ダイオキシン類対策特別措置法)

(金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令)
環境省告示第80号「ダイオキシン類対策特別措置法施行規則第2条第2項第1号の規定に基づき環境大臣が定める方法」(平成16年12月) 左記告示の制定に伴い平成12年厚生省令第1号及び3号が廃止。
土壌 (環境基準)1,000pg-TEQ/g
(ダイオキシン類対策特別措置法)
ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル
・平成21年3月 環境省 水・大気環境局土壌環境課
250pg-TEQ/g以上の場合には、要再調査。
底質 (環境基準)150pg-TEQ/g
(ダイオキシン類対策特別措置法)
ダイオキシン類に係る底質調査測定マニュアル
・平成21年3月 環境省 水・大気環境局水環境課
環境基準は、公共用水域の水底の底質について適用する。
環境水 (環境基準)1pg-TEQ/ℓ
(ダイオキシン類対策特別措置法)
工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法 日本工業規格 JIS K 0312:2008 年間平均値とする。
排水 (排出基準)10pg-TEQ/ℓ
(ダイオキシン類対策特別措置法)
工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法 日本工業規格 JIS K 0312:2008 ダイオキシン類対策特別措置法における特定施設を設置する特定事業場の排水。
作業環境 (管理濃度)2.5pg-TEQ/m3 廃棄物焼却炉施設内作業におけるダイオキシン類
ばく露防止対策要綱 別紙1
「基発第401号添付」平成13年4月 厚生労働省労働基準局長通達
6ヶ月以内に1回測定
排ガス (排出基準)は下記表参照
(ダイオキシン類対策特別措置法)
排ガス中のダイオキシン類の測定方法 日本工業規格 JIS K 0311:2008 特定施設の種類は、廃棄物焼却炉、銑鉄製造用電気炉、製鋼用電気炉、亜鉛回収施設、アルミニウム合金製造施設がある。

【各種特定施設における排ガス排出基準値一覧表(参考)】(単位:ng-TEQ/m3N)

特定施設の種類 該当規模要件 新設施設の
排出基準
既存施設の
排出基準
廃棄物焼却炉 焼却能力が、時間当たり50kg以上 又は火床面積0.5m2以上 焼却能力 4t/時以上 0.1 1
焼却能力 2-4t/時 1 5
焼却能力 2t/時未満 5 10
製鋼の用に供する電気炉(鋳鋼又は鍛鋼の製造の用に供するものを除く) 変圧器の定格容量が、1000kVA以上 0.5 5
焼結鉱(銑鉄の製造の用に供するものに限る)の製造の用に供する焼結炉 原料の処理能力が、時間当たり1t以上 0.1 1
亜鉛の回収(製鋼用の電気炉の集じん灰からの亜鉛の回収に限る)の用に供する焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、溶解炉又は乾燥炉 原料の処理能力が、時間当たり0.5t以上 1 10
アルミニウム合金製造(原料としてアルミニウムくず(当該工場の圧延工程から生じたものを除く)を使用するものに限る)の用に供する焙焼炉、溶解炉、乾燥炉 焙焼炉
乾燥炉
原料の処理能力が、時間当たり0.5t以上 1 5
溶解炉 容量が、1t以上

廃棄物焼却炉(火格子面積2m2以上又は焼却能力200kg/h以上)及び製鋼の用に供する電気炉は、平成9年12月1日までに設置されたもの(設置工事をしているものを含みます)、それ以外の施設は平成12年1月15日までに設置されたものが既設となります。

●環境省ホームページへ